2024年改正:居宅介護支援その1・・・基本報酬はどうなった?

はじめに

2024年4月の改正ですが、3年毎に改定があると、私自身「いまはどうなったんだっけ?」と混乱してしまいます。いつでも見返せるように整理しておきたいと思います。

まずは報酬についてです。ここではベースとなる基本報酬特定事業所加算を対象に整理します。

基本報酬0.9%アップ

要介護1・要介護2で「10単位」、要介護3・要介護4・要介護5で「13単位」のアップとなりました。

区分改定前
要介護1・2
改定前
要介護3・4・5
改訂後
要介護1・2
改訂後
要介護3・4・5
居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅰ)1,076単位1,398単位1,086単位1,411単位
居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅰ)1,076単位1,398単位1,086単位1,411単位
※ 逓減制が適用されたときの報酬は省略しています。

取扱件数の変更・居宅介護支援費Ⅱの要件変更

2024年の改定では、居宅介護支援費Ⅰの場合、「40件未満」から「45件未満」へ、逓減制が緩和されました

また、居宅介護支援費Ⅱでは「45件未満」から「50件未満」へ更に緩和されると同時に、算定要件が次のとおり見直されました

居宅介護支援費Ⅱ
算定要件
改定前改訂後
条件(1)一定の情報通信機器(AI含む)を活用している指定居宅サービス事業所などとの間で居宅サービス計画に係るデータを電子的に送受信するためのシステム活用
またはおよび
条件(2)事務員の配置を行っている事業所事務員の配置を行っている事業所

取扱件数の算定方法の変更・予防介護支援の直接契約

介護予防支援の取扱件数の算定方法が、1/2換算から1/3換算に緩和されました

また、指定居宅介護支援事業者と利用者が直接契約して、介護予防支援を実施することができるようになりました。直接契約した場合の報酬は、要支援1・2いずれでも「472単位」です。

また、地域包括支援センターが行う場合の報酬は、「442単位」になりました

特定事業所加算

2024年の改定では、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Aの4区分は変わらず、単位数がいずれも14単位引き上げられました

特定事業所加算単位数
特定事業所加算Ⅰ519単位/月
特定事業所加算Ⅱ421単位/月
特定事業所加算Ⅲ323単位/月
特定事業所加算A114単位/月

また、算定要件が次のように見直されました。改定前の算定要件に対し、追加が1件、一部削除が1件、緩和が2件です

  • Ⅰ~Aすべてにおいて、ヤングケアラーや障害者、生活困窮者、難病患者等、高齢者以外の対象者への支援に関する知識等に関する事例検討会、研修等に参加することが追加された
  • Ⅰ~Aすべてにおいて、「運営基準減算を受けていない」という要件が削除された。
  • Ⅰ~Aすべてにおいて、専従・常勤の主任ケアマネジャーの配置に関し、利用者への支障がない場合、①居宅介護支援事業所の他の業務(総合相談支援等)、②同一敷地内にある他事業所の職務兼務可能となった。
  • Ⅰ~Aすべてにおいて、専従常勤のケアマネジャーの配置に関し、①居宅介護支援事業所の他の職務、②同一敷地内にある介護予防支援事業所の職務兼務可能となった。

算定要件の詳細は以下のとおりです。

◆令和6年度介護報酬改定における改定事項について(厚生労働省老健局)より引用



まとめ

報酬に関わる改定をまとめると、2024年改定では次のようになりました。

  • 基本報酬、特定事業所加算の単位数が増えた。
  • ケアマネ1人当たりの取扱件数が増えた。介護予防支援は1/3換算に緩和された。
  • 逓減制にかからない範囲で50件未満まで取り扱いたい場合は、他事業所とデータを共有するシステムを活用しつつ、且つ、事務員を配置しなければならなくなった。
  • これまでどおり特定事業所加算を算定したい場合は、ヤングケアラーや障害者、生活困窮者、難病患者等、高齢者以外の対象者への支援に関する知識等に関する事例検討会、研修等に参加しなければならなくなった。また、算定要件から「運営基準減算を受けていないこと」が削除された。

参考資料

◆令和6年度介護報酬改定における改定事項について(厚生労働省老健局)より引用

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