2024年改正:居宅介護支援その3・・・業務はどう変わる?

はじめに

2024年4月の改正ですが、3年毎に改定があると、私自身「いまはどうなったんだっけ?」と混乱してしまいます。いつでも見返せるように整理しておきたいと思います。

その1では基本報酬と特定事業所加算について整理しましたが、ここではケアマネの業務がどのように変わるのか?について整理します。

情報通信機器を活用したモニタリングの実施

ケアマネジャーの業務の中で、ご利用者様宅等への移動時間が占める割合は馬鹿にならないです。今回の改正では『オンライン・モニタリングの実施』が認められるようになりました。しかし、その要件などには注意が必要です。

要件

  1. 文書で利用者の同意を得ること
  2. 少なくとも2月に1回(介護予防支援の場合は6月に1回)は利用者の居宅を訪問すること
  3. サービス担当者会議等において、主治医、サービス事業者等から以下の合意が得られていること
  • 利用者の状態が安定していること(主治医の所見等も踏まえ、頻繁なプラン変更が想定されない等)
  • 利用者がテレビ電話装置等を介して意思表示できること(家族のサポートがある場合も含む)
  • テレビ電話装置等を活用したモニタリングでは収集できない情報については、他のサービス事業者との連携により情報を収集すること

利用者の状態が安定していること

解釈通知によると、『利用者の心身の状況が安定していることを確認するに当たっては、主治の医師等による医学的な観点からの意見、以下に例示する事項等も踏まえて、サービス担当者会議等において総合的に判断することが必要である』とされています。例示された事項は次の通りです。

  • 介護者の状況の変化が無いこと
  • 住環境に変化が無いこと(住宅改修による手すり設置やトイレの改修等を含む)
  • サービス(保険外サービスも含む)の利用状況に変更が無いこと

更に解釈通知では、『主治の医師、担当者その他の関係者の合意を得る方法としては、サービス担当者会議のほか、利用者の通院や訪問診療への立会時における主治の医師への意見照会や、サービス事業所の担当者との日頃の連絡調整の際の意見照会も想定されるが、いずれの場合においても、合意に至るまでの過程を記録しておくことが必要である。』とされています。

なお、解釈通知では更に、利用者の状況に変化が認められた場合等においては、居宅を訪問することによる面接に切り替えることが適当である』と示されており、先程示した事項が満たされない状態になった場合は注意が必要です。

    他のサービス事業者との連携により情報を収集

    解釈通知では、『画面越しでは確認できない利用者の健康状態や住環境等の情報については、サービス事業所の担当者からの情報提供により補完する必要がある』されています。その連携について、解釈通知にて「情報連携シート」が示されました。情報連携シートについては、後述の「参考資料」を参照ください。

    サービス利用票はどうする?

    オンライン・モニタリングを実施した月のサービス利用票はどのようにすれば良いのでしょうか?

    令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)(令和6年3月29日)』によると、『訪問によるモニタリングを行う月において、直後のテレビ電話装置等を活用してモニタリングを行う月の分もサービス利用票(控)を持参し確認を受ける方法や、電子メール等により確認を受ける方法等が考えられる。』とされています。

    公正中立性の確保のための取り組みの見直し

    2021年度改定では、下記の事項についてご利用者様に説明することが「義務」でした。2024年度改定では、これが「努力義務」になりました。

    • 前6ヶ月に作成したケアプランにおける訪問介護、通所介護(地域密着型を含む)、福祉用具貸与の各サービスの利用割合
    • 前6ヶ月に作成したケアプランにおける訪問介護、通所介護(地域密着を含む)、福祉用具貸与の各サービスの同一事業者によって提供されたものの割合

    通院時情報連携加算の見直し

    今回の改定で、歯科医院への診察に同行した場合も加算の対象に含まれることになりました。単位数は50単位/月で変わらず、算定は一ヶ月に一回が限度で変わりありません。

    算定要件は次の通りです。

    • 利用者が病院又は診療所において医師又は歯科医師の診察を受けるときに介護支援専門員が同席し、医師又は歯科医師等に対して利用者の心身の状況や生活環境等の必要な情報の提供を行うこと
    • 医師又は歯科医師等から利用者に関する必要な情報の提供を受けた上で、居宅サービス計画に記録すること

    参考資料

    情報通信機器を活用したモニタリングの実施

    情報連携シート(様式例)

    通院時情報連携加算

    公正中立性の確保のための取り組みの見直し

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